追悼・坂本龍一さん 新宿高校で同級生、50年来の親友が明かすラストメッセージと原点
3月28日に71歳で逝去した世界的音楽家の坂本龍一さん。「世界のサカモト」と呼ばれた仕事や作品の数々は言わずもがな、晩年は環境保護や反戦平和運動などにも積極的に参加、知識人や芸術家が政治や社会といった現実の問題に積極的に関わるアンガージュマンの精神を体現した日本では稀有な芸術家だった。
その原点ともいえるのが都立新宿高校時代。時は1960年代。坂本さんも学生運動にものめり込んだ。
「高校3年の秋でしたね。僕と坂本、塩崎(恭久=元衆議院議員、元内閣官房長官)のほか数十人で、制服制度の見直し、受験教育偏重の是正などを求めて校長室を占拠したんです」と往時を振り返るのは、フリーライターの馬場憲治さん(71)。40年ほど前のベストセラー「アクション・カメラ術」の著者で、歌手の石川さゆりの元夫としても知られる人物だ。
馬場さんと坂本さん、塩崎元議員は新宿高校時代の同級生(塩崎氏は1学年上だが留学のため同学年に)。馬場さんはかつて塩崎元議員の公設第1秘書も務めていた。
坂本さんとは10代半ばから50年以上の親交があり、それは亡くなるまで変わらなかったという。
「高校2年から同じクラスでした。一緒にメシを食ったのは3年前が最後かな。そのときは古希までは生きようと話していたものです。昨年末のNHKの配信コンサートも見ていて“素晴らしかった”と感想を送ったら“見てたの、ありがとう”と短い返信がありました。すっかり枯れて優しくなって、心穏やかな表現者になっていましたね」