(11)昨日と今日と明日の区別がつかないような毎日はつまらない!
だから、新しい人との出会いの機会はできるかぎり、なくさないようにしていると中尾さんはいう。だが「でもね」と頬にえくぼを浮かべながら結論づける。
「なかには、話を聞いたり、行動を見たりして懸命に理解しようとしても、“こりゃ、とてもついていけない”と感じてしまうこともありますよ。そんなときは、静かに立ち去るのが一番いい。あえて反論したり、呆れたり、怒ったりしないようにしています。“こういう人もいるんだな、勉強になった”と考えればいい。角突き合わせても、自分にとっていいことはなにもない。若いときならわかりませんが、現実問題として、いまの私にはそれほど長い時間は残されていませんからね。時間は有効につかわなくちゃ」 =つづく
▽中尾ミエ(なかお・みえ) 1946年、福岡県生まれ。1962年にデビュー曲「可愛いベイビー」が大ヒット。1971年リリースのシングル曲「片想い」は30万枚の売り上げを記録。その後、歌手活動以外にも、俳優として数々のドラマ、映画、舞台に出演。現在、情報番組「5時に夢中!」(TOKYO MX)の金曜コメンテーターとしてレギュラー出演中。著書「76歳。今日も良日」(アスコム)がベストセラーに。
※衣装提供DUE deux