フィギュア「4回転の神」マリニンと合同練習実現のウラに深刻な競技人口減少
「神」からの金言を受けた。
先日、フィギュアスケート男子で世界選手権を連覇したイリア・マリニン(20=米国)が京都で木下アカデミーの生徒たちと合同練習を公開。練習するだけでなく、約1時間、一緒に滑った日本選手にもジャンプの極意を積極的にアドバイスした。世界選手権銅の千葉百音(19)は、「“4回転の神“と呼ばれる裏には血の滲むような努力があってこそ。私も頑張ろうと思った」と感銘を受けていた。
今回の合同練習はマリニンの母・タチアナさんと木下アカデミーの濱田美栄GMが旧知の仲だったことから実現。17日に東京で開催される世界国別対抗戦やアイスショーの出演で3週間ほど日本に滞在するため、3日間の合同練習が実現した。
日本のスケーターと海外勢は大会やショーを通じて普段から交流はあるものの、本来はライバル。技術やコツは安売りできないはずだ。しかし、その風潮も変わりつつあるという。
「近年はフィギュアスケートの競技人口減少が深刻なのです。これは日本だけでなく世界的なもので、裾野を広げたりして、フィギュア競技を続けてもらえるようにみんな必死。幼少期からの過酷なトレーニングや食事制限で早々とフィギュアスケートをやめていく選手も多い中、長く続けてもらうためには蹴落とし合うよりも手を取り合ってお互いのスキルを高め合った方が、結果的にはスケート界のプラスになるのではという考えが広がっています」(フィギュア関係者)