バカリズム&東京03飯塚の冠番組「バカリヅカ」はコント師2人の“憩いの場”
彼らは、20代の下積み時代からお互いを知る間柄だ。ほぼ同時期の1990年代中盤に活動をスタートし、2003年に飯塚はコンビからトリオ、05年末にバカリズムはコンビからピンに転向。どちらも賞レースによって知名度を上げた。
■“ネタの人”から“テレビの人”へ
ストイックにネタを作り続け、毎年単独ライブを開催するスタンスも同じ。10年代はシチュエーションコメディーの「ウレロ☆シリーズ」(テレビ東京系)で共演し、一部脚本も担当。テレビでも“ネタの人”というイメージが強かった。
しかし、ここ数年で状況が一変したように思う。バカリズムはドラマ脚本家として活躍する傍らで冠番組「私のバカせまい史」(フジテレビ系)がスタートし、飯塚はバラエティーの露出が増える中でゴールデン帯のレギュラー番組「熱狂マニアさん!」(TBS系)でMCを担当。2人とも、すっかり“テレビの人”になった。
だからこそ、ゆるい深夜帯の「バカリヅカ」は感慨深いものがある。ライブシーンで切磋琢磨したコント師2人が、時間をかけてテレビスターとなり憩いの場へとたどり着いた……そんな空気感が漂っている。番組は全6回で終了を予定しているようだが、その後レギュラー化されることを願うばかりだ。
(鈴木旭/お笑い研究家)