「おっさんずラブ-リターンズ-」大ヒットの背景 テレ朝が仕掛けた盤石のメディアミックス
「マイノリティーな新婚“夫夫”の姿にほっこり」
18年に続いて、全国6都市で期間限定のコラボカフェをオープン(前回は4都市)。昨年12月には、キャストによる舞台挨拶とライブビューイング、新作&前作全話の応援上映会を開催した。さらに、劇中で登場した真っ赤なマフラーやカイロ、春田&牧が愛用する新婚生活のアイテムを視聴中にネット購入できる流れも構築した。
おっさん視聴者層からも支持されている。田中演じる春田は不動産勤務の39歳で、上司と部下の板挟みにあう中間管理職。子どもさながらの天真らんまんさは、部下にも上司にもしたいと思わせる魅力がある。
その一方で、性格は片づけられない超ズボラ。生活スタイルのズレの積み重ねがケンカに発展するという“あるある”も描いているため、既婚・未婚、LGBTQを問わず全世代の大人が共感できる。
「田中と春田の相似性も人気を後押ししている」と、エンタメライターの伊藤雅奈子氏は分析する。
「ドラマのためにバラエティー番組に出演している田中さんが、ますます“はるたん”化しているのです。元来三枚目で、場の空気を読み取る才能にたけている役者さんですが、林さんとの共演回数を重ねているせいで、2人ならではのアドリブが増えていて、マイノリティーな新婚“夫夫”の姿にほっこりする。ここへきて、実年齢と役柄の年齢がそろったのも大きい。ジャンルはラブコメですが、上司がいて部下がいる、仕事があって共同生活者がいるというアラフォーの等身大が、実はリアルに丁寧に描かれているのです」
“新おっさん”として井浦新(49)と三浦翔平(35)が追加。金曜日の夜、世のおっさんたちはテレビの前で胸を焦がしている(かも)。