著者のコラム一覧
井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

異論に不慣れがゆえに過剰に防衛し炎上…という茂木健一郎のケースは珍しくない

公開日: 更新日:

 ひとしきり炎上した後の9月12日、茂木はレスポンスを投稿する。「日本の『炎上』はおうおうにして『世間』対その人になる」「炎上慣れしていない人はびっくりして自分の異見を言うのをやめてしまう」と、正論でいさめているかのようだ。

 だが、日本に限らずアジアでも欧米でも、「世間対その人」になる炎上が基本形だ。ある人(企業、団体など)が多勢の世間から袋叩きに遭うからこそ炎上なのだ。

 また、ネットや現実世界に異見がないわけではなく、むしろ老若男女問わず、意見や異見を表明する人は確実に増えている。だが、あらかじめ検索したり友人知人の紹介で参加するという手順を踏んでいるため、コミュニティーがタコツボ化しており水を差す異見は単に届いていなかったり、集団の安寧を守るべく軽視されている。異なる見解に不慣れがゆえに、びっくりして過剰に防衛し炎上というケースは珍しくない。

 茂木の「異見」はしばしばつじつまが合わないと批判される。今回の炎上でも、SMAPが解散すると公表した際に「表現者としてのポテンシャルは、決して、海外の著名アーティストに劣って」いないと賛辞を送った投稿が発掘され物議を醸した。

 海外の著名アーティストに劣らない学芸会的価値とは何ぞや、と問われてしまうと、脳機能をフル稼働させてもなかなか整わない。 (つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差