誰も言わないけど…「ブラタモリ」終了の本当の理由は「面白くなくなったから」 質の低下は民放の旅番組みたい
受信料で成り立つ公共放送としては、こうした要望を無視することはできず、なんとか遺跡・遺構や地理にこじつけて歩いたなんてことはないのだろうか。
登別温泉、日光、白川郷などはほとんど民放の旅番組と変わらなかったし、深谷や静岡は大河ドラマの舞台、去年秋に敦賀を放送したのも、この3月に北陸新幹線が延伸となるからだろう。タモリの知的ブラ歩きのはずが、観光案内や番宣の単なる漫遊記が増えている印象だ。
■本人も気づいている
もうひとつ、番組ファンをイライラさせているのが、地元職員ら案内役の陳腐なクエスチョンである。
専門的な疑問にすらりと答えるタモリの博学は番組の見どころだけれど、近ごろは聞くまでもない、わかりきった質問が多い。海を前にして、「海でとれるものといえば、なんでしょう」と聞く。特別な産物でもあるのかとタモリが戸惑っていると、「魚ですよね」。これじゃあ、小学1年生のお勉強である。職員は魚介が豊富な土地柄を宣伝しようと必死なのだが、見ているほうは「バカにしてんのか!」と言いたくなる。こういう時のタモリは、「ああ、そうですか」と受けながらも、鼻白んでいるのがわかる。