映画「ゴジラ-1.0」米アカデミー視覚効果賞受賞の“必然”、ハリウッドがたまげた日本の狙いと技術
第96回アカデミー賞で「ゴジラ-1.0」がアジア映画として初めて視覚効果賞を受賞した。受賞者は監督・脚本も務めた山崎貴をはじめとする「白組 調布スタジオ」の4人(この4人という受賞者数は、アカデミー賞の規定で決まっているそうだ)で、授賞式では山崎監督が、アメリカ以外の若い人たちにもこの賞を取ることは夢ではないことを伝えた。
今回視覚効果賞にノミネートされた他の作品は、「ザ・クリエイター/創造者」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3」「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」「ナポレオン」と、いずれもハリウッドの大作ばかり。機材にかける金額や製作に要する日数、関わる人間の数も、「ゴジラ-1.0」とは一桁違うスケールの大きさで作品が作られている。
例えばハリウッドではVFXを使った大作の場合、映画全体の中でVFXのカット数は1500~2000というところだが、「ゴジラ-1.0」は670カット。これは通常のゴジラ映画で考えても多い方ではない。しかもVFX担当だけに限るなら、白組では40人に満たないスタッフで作ったのだから、数百人規模で仕事をしているハリウッドの関係者が驚いたのは当然と言える。