元アイドル渋谷哲平さんが明かすコロナ後のギャラ事情と大病「赤いヘルプマークを付け…」

公開日: 更新日:

渋谷哲平さん(62歳)

 1970~80年代はアイドル黄金時代といわれるが、その一角を占めていたのが渋谷哲平さんだ。激しいダンスが印象的な「Deep」(日本コロムビア)で、日本レコード大賞新人賞を受賞するなどした。最近はテレビで見ないが、渋谷さん、今、どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 渋谷さんに会ったのは、京王井の頭線のとある駅そばの喫茶店。

「30歳からこの近くに住んでいるので、もう30年以上。便利だし、家族が『ここを離れたくない』と言うので引っ越せないんです」

 渋谷さん、まずはこう言った。家族というのは、28歳のときに結婚した3歳年上の元ヤングメイツ(NHKの音楽番組「レッツゴーヤング」のバックダンサー)の夫人と、30歳の長男、27歳の長女だ。

子どもは2人とも独身なんですけど、娘は独立しているので、今は3人で暮らしています。子どもは2人とも会社員。僕を見て、芸能界は儲かんないな、と思ったんじゃないですか(笑)」

「儲かんない」と言いつつ、渋谷さんの芸能活動は、昨年、デビュー45周年を迎えた。

「歌手だったのは4年ほどで、あとはずっと役者。歌手時代は仕事をしている感覚はあまりなかったんですけど、初めてドラマのレギュラーをいただき緑山スタジオの控室で、年上のADさんに『よろしくお願いします』ときちんと挨拶していただいたとき、『ちゃんと、芝居をやらなくちゃ』と身が引き締まったのを覚えています」

 以来、「銭形平次」(フジテレビ系)などの時代劇や2時間ドラマ、ミュージカルなどの舞台に出演してきた。

「ところが、東日本大震災後に仕事が減り、ギャラもバーゲンどころじゃないほど下がりました。映画は去年、『いまダンスをするのは誰だ?』が公開になり、その後も自主製作映画に出演しましたが、我ながらよく生きている、と思いますよ(笑)。ただ、自分としてはアイドルとして黄色い声援を浴びたのはたった3カ月でしかなくて、それから浮き沈みがあったとか、ストレスを感じることもなかったんですよね。ずっと楽しくやってこられて、いつ死んでも後悔はない、と思っていますよ」

 62歳で死を意識するのは早いが、大病の経験がそうさせたようだ。

「55、56歳のとき、胆石が胆管に詰まり胆のうを取る腹腔鏡手術をしました。60歳のときには、右足の膝蓋の裏の下あたりに血栓が詰まり、それを取る手術を3回しました。多血症気味で、血栓ができやすいのだそうです。今はまったく問題ないとはいえ、大好きな鎌倉にフラッと出かけるときは、途中で足が動かなくなると困るので、“転ばぬ先の杖”で杖を持って歩き、赤いヘルプマークをバッグに付けていますよ」

 コワモテ風で、タフそうに見えるので意外だ。

「そう、だから杖を持ってヘルプマークを付けていないと、電車で優先席に座っていると嫌な顔をされるんですよ(笑)。厄年の60歳のときは、自分だけじゃなく、妻も大病を患い、息子は仕事中の事故で意識不明になり、集中治療室で1カ月半目を開けず……あのときはきつかったですね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇