岡田将生が醸し出す「一歩引いた存在感」の神髄 「虎に翼」「ラストマイル」でも魅力随所に

公開日: 更新日:

「ラストマイル」では、ショッピングサイトから配送された段ボールが爆発する事件の真相を探る、満島ひかり演じる巨大物流倉庫のセンター長を手助けするチームマネジャーを演じているが、ここでも彼は自分の判断で段ボール爆弾とその犯人を特定しようとする満島のサポート役に徹していて、準主役でありながら立ち位置は常に客観的。作品の世界観や物語の中心にいても、どこか“場に馴染まない”感じは、東京から島根県の田舎町に転校してきた中学生を演じた「天然コケッコー」の頃から岡田将生に備わっていたもので、それが彼の他にはない魅力になっているのだ。

■同世代の役者にはいない、唯一の存在

 それだけに彼には単独主演のイメージが薄い。「虎に翼」にしても、「ラストマイル」にしても、作品を引っ張っていくのは伊藤沙莉であり満島ひかりである。ただ、物語の本道から少しずれた岡田の視点があるからこそ、作品は膨らみを増すことになる。これは例えば主演俳優でも『キングダム』や『ゴールデンカムイ』の山崎賢人のように、危機的な状況を自らの行動と熱意で乗り越える役を演じて、作品の先頭を走っていくタイプとはまったく違ったアプローチ。先頭を走る主演から一歩引いたところにいる岡田将生は、客観性を失わないことで映画の観客やテレビの視聴者と、作品世界との橋渡しをする。こういう俳優は、佐藤健松坂桃李賀来賢人、若葉竜也ら、彼と同年代の顔ぶれを見ても、他にいない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”