トランプ×マスク“本当の関係”…大統領発言「数カ月以内に政権離脱」で2人の蜜月は終わったのか?
米全50州で、週末5日に「反トランプ政権」の大規模な抗議デモが行われた。非難の的はおもにトランプ大統領と「政府効率化省(DOGE)」を率いるイーロン・マスク氏だが、どうやらマスク氏は「数カ月以内に政権を離れる」ことになりそうだ。トランプ大統領自身が3日、記者団にこう述べたのだ。
「彼には経営している会社がいくつもある。できるだけ政権に長くいてほしいが、いつか去らなければならない時は来る。数カ月以内になるだろう」
マスク氏の政権離脱については、米メディアが2日に報じた際、マスク氏は「フェイクニュースだ」とXで否定していた。
政権でのマスク氏の立場は「特別政府職員」。同職は任期が130日と定められ、マスク氏は5月下旬に任期を迎えるため、「トランプ大統領がお気に入りのマスク氏の職をどのように延命するのか注目されていた。退任とは驚いた」(日本企業の米駐在員)という。
マスク氏を巡っては、DOGEによる政府職員の大量解雇などの手法が政権内で摩擦を生んでいたとされるが、トランプ大統領とマスク氏の蜜月関係は終わったのか。
現代米国政治が専門の上智大教授・前嶋和弘氏はこう見る。
「2人はいずれケンカするだろうとは思っていました。ただ、お互いがお互いにとってプラスな存在なんです。トランプ大統領にとっては、自分の代わりにピエロを演じてコストカットをしてくれ、自分への批判をかわすことができた。マスク氏はテスラの自動運転システムで死亡事故が起きた件でFBIに訴追される寸前でしたが、トランプ政権で訴追を逃れた。利益相反になるライバル企業の情報に接することもできた。2人はビジネス的、政治的な相思相愛だったのです」