真田広之の飽くなき執念がハリウッドの壁を切り崩し、「SHOGUN 将軍」にエミー賞18冠をもたらした
俳優・真田広之が米国テレビ界の最高峰、エミー賞で作品賞・主演男優賞を含む史上最多の18部門を獲得した。
野球界では大谷翔平が大リーグの頂点までたどり着いたが、映画界でも真田がハリウッドの高くて厚い壁を切り崩した。
これまで加藤雅也や吉田栄作も挑んだがハリウッドの壁にはね返されてきた「日本人俳優は通用しない」といわれた黒歴史を真田が塗り替えた。
振り返れば、2003年公開の「ラストサムライ」の出演が真田のターニングポイントだった。この作品でトム・クルーズと共演したのが渡辺謙と真田だったが、大きく取り上げられたのはトムと肩を並べる主役の渡辺だった。真田は2人の陰に隠れるようだった。
「ラスト──」から21年、真田のプロデュース・主演の時代劇は米国からも認められた。成功した要因のひとつが真田の飽くなき執念だったと思う。渡辺は日本の事務所に所属しながらの活動だったが、真田は米国に骨をうずめるがごとく腰を据えた。そして、言葉の壁や体格差に立ち向かい乗り越えた。