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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

着実にカリスマへの道を歩む ファーストサマーウイカの戦略性の高さ

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 ちなみに、この芸名は今まで存在しない言葉を作ろうと本名の「初夏」を「寺門ジモン」方式で重ね、戦略的につけたもの。冗談交じりとはいえ、それを変えてもいいと思うほどの覚悟だったのだ。

 そんな芸名を含め、ウイカの戦略性の高さは、オードリー若林正恭が「あなた、オンラインサロンで稼げるぞ」(テレビ東京系「あちこちオードリー」20年7月7日)と驚くほど。ヤンキーキャラではあるが、実は「ゴリゴリの文化系」。「泥水をすすってきた」(同前)という下積み時代を経て生んだものだ。

 一方で「私は今までの10年がなければ、今のこの瞬間というのは1ミリも存在しえない」「1つでも何か抜いてしまったり、なかったことにしてしまうと、今はない」(NHK「不可避研究中」20年5月29日)と語るように、地に足がついている印象がある。

「10年後カリスマになりたいのね?」と聞かれて、うなずいていた彼女(「あちこちオードリー」=前出)は、サイクルの速い芸能界で「人に取られるような椅子だったら、あっても意味がない」と「自分にしか座れない椅子を作ること」を考え抜いてやってきた(フジテレビ系「ダウンタウンなう」20年5月15日)。

 わが道を行くのがカリスマならば、ファーストサマーウイカの「カリスマ」への道は着実に進んでいる。

【連載】今週グサッときた名言珍言

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