純烈・白川裕二郎さん 愛猫みかんを亡くして1年…「仕事から戻ってくるのを待ってくれた」
重度の腎臓病でアッという間に
猫との別れは忘れられません。去年の10月7日です。19年11カ月の「みかん」が腎臓病で亡くなりました。みかんは僕がまだ売れていない時から飼っていた猫です。たまたま配っていたチラシを見て、かわいい猫がいるなあと思い、ネットで調べてみました。里親を募集していました。それで「ぜひ、見たい」と北千住まで出かけていき、一目見て、飼おうと決めた猫です。それ以来、売れない時もあった僕をずっと見守ってくれた猫でした。
それも明治座の舞台のお稽古の時でした。自宅は一軒家です。2階でバターンと音がしたんです。何だろうと見に行くと、倒れて痙攣しているみかんがいました。これはまずいと救急病院に行ったら「腎臓病が進んでかなり悪い」という診断でした。重症度はステージ4で「あと1週間の命かもしれない」と。なんでこんなになるまで気がついてあげることができなかったかと思うと、今でも本当に悲しくなります。
みかんは1日だけ入院し、できる限りのことをやってもらい、家に連れて帰ってきました。
その時にちょうど北海道の公演もありました。もう心配で心配で。毎日、家に電話をして容体を聞きながら、間に合わないかもしれないと半ば諦めかけました。でも、みかんは僕が帰るのを待っててくれた。亡くなったのは帰ってちょっとしてからです。あの時のことを思うと、今でも涙が出ます。
病気がわかってからは本当に短い間でした。ずっと一緒にいてやりたかったけど、それもできなくて。それでも少しでも元気になってくれたらと思ってごはんをあげると、すごく食べて元気になって、もしかしてと期待したり。調べたらそれはエンゼルタイムというそうです。猫は死期が近づくのがわかるらしく、飼い主を安心させるための時間があると。みかんが心配しないでというメッセージをくれたんだと思います。
みかんとの出会いからずっと猫と一緒です。みかんが生きている時に飼ったもう一匹「たら」がいます。野良の親猫がいました。その猫が子猫を2匹産んだので、捕まえて去勢手術をし、放してあげました。するとまた身ごもった。親猫を捕まえてなんとかしないと、と思ったけど、警戒心が強い猫で。そのうちまた2匹生まれ、1匹はドアを開けると家に入って僕のところに来て寝たりするようになった。もう一匹は警戒心が強くて外からずっと見てたけど、それも懐くようになって。結局、捕獲器を買って親猫を捕まえ、去勢手術をしてあげました。親猫は放してあげ、最初の人懐こい猫は知り合いがほしいというのであげて、もう一匹が残った。それが「たら」で、かわいくなっちゃって家で飼うことにしました。
もっとも、先住猫のみかんとは仲よしになれませんでしたけど。