「一球入魂」の精神 どんな無茶ブリにも答え続ける田中要次の存在感
「試合に出て、1球しか球を投げられない立場ですから」
(田中要次/フジテレビ系「ぽかぽか」1月31日放送)
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「いまだに“『あるよ』の人”だよねとか、『あるよ』って言ってって」言われるという田中要次(61)。「あるよ」とはもちろん、木村拓哉主演の月9ドラマ「HERO」(フジテレビ系)の田中演じる名物キャラクターのセリフ。バーのバーテンダーの彼は、どんなムチャな注文でも、コワモテの無愛想のまま、「あるよ」と答え、人気となった。ほとんどがワンテイクで撮っていたという撮影時の心境を野球に例えて語った言葉を今週は取り上げたい。まさに一球入魂。そのたった3文字のセリフが田中要次の代名詞となったのだ。
異色の経歴の持ち主だ。もともとは父を早くに亡くし、自分は家を守らなければならないという意識があったため、高校卒業後すぐに地元・長野で国鉄に就職した。1987年に民営化するとJR東海の社員となり、職場が名古屋になったことで、好きだった映画館に通えるようになった。