笑い飯・哲夫が振り返る 型破りな“売れっ子家庭教師”時代
2010年のM―1グランプリで優勝した「笑い飯」の哲夫さん(43)。出身地の奈良の歴史や仏教の知識は豊富で著作も多いが、それも納得、かつては売れっ子家庭教師だった。
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中学3年の結構、ヤンチャな男子の家庭教師してた時ですわ。部屋に行ったら、これ見よがしにたばこを吸ってたんですよ。ボクの顔見て、「ウワッ。バレてもうた」とか、驚いたふりするんやけど、時間的に来るのがわかっとるからね。反抗期やから、イキがってるのを見せたかったんやろね。
でも、しゃくし定規には怒らんのです。「こら、1本よこせ、こうやって吸うんや。おまえなんかまだまだ甘いんじゃ」言うてね。指に挟むしぐさ、ライターの持ち方も映画かドラマのワンシーンみたいにポーズつけて、吸ってみせたんです。形態模写的なことは得意やったからね。そしたら、目を丸くして見てる。
そんで、「おい、マネしてみ」と1本渡したらホンマに吸おうとしたんで、さすがに「吸うな、ボケ!」言うてやめさしたけど、一事が万事、一般的な家庭教師の枠からハミ出たタイプで、ハチャメチャやったと思います。
この写真は、01年にデビューした当時の写真なんですけど、まだ家庭教師もしてまして、髪の毛は茶色に染めてました。
僕のスタンスは意識的に小学生の低学年ぐらい。教え子が中学生でも高校生でも、会話の中に「ウンコ」「チンチン」を入れて、女の子やとワザと鼻クソつけたりね。
最初は「なんやねんコイツは……」となるんです。当たり前ですわ。そんな家庭教師、見たことも聞いたこともないからね。
でも、ナメられないですよ。自分で言うのもなんやけど、教え方がうまいから、わからんかったところがパッと理解できて成績アップ。すると、どんだけアホなこと言うても、それが親しみやすさになる。
そのうち、親には言えん会話も当たり前にできるようになったりね。