藤原紀香さんの消したい過去(?)をゴメンなさ~い!
と、なると、トーゼン2人の胸ときめくシーンなんてのも登場するわけである。
見つめ合う鷲花と美紀、2人はまるで時間が止まったかのように動かない……しかし、次第に2人の距離はせばまってゆく……そして、どちらからともなく唇を熱くゆっくりと重ね合うのであった……カット! OK!! サイコーのラブシーンいただきましたー!! の監督の雄たけびが撮影現場全体に心地よく響き渡るのだった……というシーンは俺の妄想だけで、実際は存在しなかったのだが、この両腕で彼女をギュッと抱きしめたり、この胸で彼女を優しく受け止めたりのシーンは何度もあったのだ。
しかし、俺はその時、人間という生き物の不思議を身をもって感じていたのだ(もしかしたらこれは俺だけ?)。その不思議とは「美し過ぎると不純な心はわかず」ということなのだ。
「いや~藤原紀香、いい女だねェ、あ、俺この後のシーン抱きしめるからさ、そーなったら野獣の鷲花さんだから、もう股間に股間をグリグリグリーいっちゃうよー!!」
「そろそろダンカンさん、次のシーンお願いします!」と助監督の声。「じゃ、鷲花さんが美紀を、もう大丈夫だから安心しなとたくましく抱き寄せるところ、カメラさん、照明さん、OKですね、じゃシーン56、カット17、アクション!!」と監督……ところが、俺の演技といえば顔は近づけているものの……股間グリグリどころか大相撲の立ち合いのように、下半身にいくに従い、体は離れ……頭をつけて肩に手を置いているから、まるで英語の「A」の字みたいになっていたのでした……ま、男ってのは案外、純なものなんですよ!! (つづく)