「成人喘息」の誤解 服薬をやめられる人は2割しかいない

公開日: 更新日:

■「治った」という誤解

 問題点は、2つある。
 まず、薬を継続的に使わない人が圧倒的に多いことだ。

「高血圧糖尿病などの慢性疾患は、数値目標があり、『発症したら一生薬を飲まなくてはならない』という認識が浸透している。本来は喘息も高血圧や糖尿病と同じ慢性疾患なのですが、そう考えられていない」

 喘息の場合、激しい発作や咳(せき)などで病院にかかる。薬で症状が鎮まると、ほとんどの患者が「治った」と思う。ここに落とし穴がある。

「薬で症状が鎮まっただけで、治ってはいません。そこで薬をやめれば、風邪や疲労などちょっとしたことをきっかけに、喘息発作を起こす可能性がある。喘息は、ごく軽症と咳喘息を除き、半永久的に治療を続けなくてはならない慢性疾患です。それを認識しなくてはならない」

 ある調査では、「成人喘息患者で治療をやめられるのは2割、8割は治療の継続が必要」という結果が出ている。
 薬を途中でやめてしまう人が多いのは、喘息治療で使われる「吸入ステロイド薬」に対して、誤解していることも挙げられる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較