糖尿病壊疽の足切断を回避 「メカノセラピー」って何だ?

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 宇宙飛行士の若田光一さんが188日ぶりに地球に帰還。無重力の世界で過ごしていたため、骨密度や筋力は20歳も年を取った状態だという。

「体には重力や気圧などさまざまな物理的刺激がかかっています。それがあるから、細胞は正常な機能を維持できるのです」

 こう話すのは、日本医科大学付属病院形成外科・美容外科の小川令准教授だ。この「細胞は物理的刺激の影響を受けて機能を維持している」という考え方がメカノバイオロジーで、「メカノセラピー」として医療に応用され、注目を集めている。小川准教授に聞いた。

 メカノセラピーの応用は多岐にわたっている。そのひとつが、糖尿病の足の壊疽(えそ)に対する治療だ。

「傷ができると、細胞は自然の物理的刺激に反応して皮膚を再生していきます。ところが糖尿病では、皮膚の細胞が物理的刺激に鈍感になることが分かってきました。皮膚が再生されずに足が壊疽し、進行を抑えるために切断するのが従来の治療。そこで自然の物理的刺激以上の刺激を与え、鈍感な皮膚の細胞が正常に働くように促すのです」

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