「粗食がいい」は誤解 がんは賢く食べて抑える時代へ

公開日: 更新日:

がんになると、がんやがんに影響を受けた免疫細胞などから、さまざまな炎症性サイトカインが嵐(ストーム)のように分泌され、代謝異常が起こることが分かってきました。これが悪液質の引き金です」

 サイトカインとは、さまざまな細胞に働きかけてその働きを変えるホルモンに似た物質を言う。例えば、「インターロイキン6」は体内のタンパク質をアミノ酸などに分解する酵素のスイッチをオンにすることで、筋肉が急速に萎縮していく。

「ほかにも、副甲状腺ホルモンやLIFと呼ばれる炎症性サイトカインが悪液質の原因となることもあります。最近はサイトカインシグナルが脳に伝わることで脳が体に指令を行う、つまり、がん悪液質は脳の関与が濃厚といわれています」

 膵がん胃がん、卵巣がんなどは悪液質になりやすいが、乳がんなどはそうでもないという。治療はどうなっているのか?

「①食欲維持②サイトカインストームの是正③筋肉の維持、が基本です。私たちが研究しているのは①で、LIF高値によって起こっているがん悪液質は、モデルラットでは六君子湯と呼ばれる漢方が有効であることを見いだしました。海外では食欲を増進させる薬剤として、マリフアナやサリドマイドを用いた研究も行われています。最近は食欲亢進ホルモンであるグレリンと同じ働きをする新薬開発も注目です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    オコエ瑠偉 行方不明報道→退団の真相「巨人内に応援する人間はいない」の辛辣

  2. 2

    矢沢永吉&松任谷由実に桑田佳祐との"共演"再現論…NHK紅白歌合戦「視聴率30%台死守」で浮上

  3. 3

    ヤクルト青木宣親GMは大先輩にも遠慮なし “メジャー流”で池山新監督の組閣要望を突っぱねた

  4. 4

    神田沙也加さん「自裁」の動機と遺書…恋人との確執、愛犬の死、母との断絶

  5. 5

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  1. 6

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 7

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  3. 8

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  4. 9

    大谷翔平、笑顔の裏に別の顔 日刊ゲンダイは花巻東時代からどう報じてきたか、紙面とともに振り返る

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情