「粗食がいい」は誤解 がんは賢く食べて抑える時代へ

公開日: 更新日:

 末期がんというと、ガリガリに痩せた姿を思い浮かべる人が多いのではないか。この段階になると、体の中で代謝異常が起こって、筋肉などの合成以上に分解が進む、「悪液質」と呼ばれる状態に陥るからだ。

 しかし、この悪液質を制御することで、がんと共生し、天寿を全うさせる研究が進んでいるという。国立がん研究センター研究所がん患者病態生理研究分野の上園保仁分野長に聞いた。

がん治療というと、がん細胞を殺すことばかりに目を奪われがちですが、必要十分な栄養を供給して、体内の代謝のバランスを取り戻すことが大切だと考えています。がん患者さんの多くは、がんが直接原因で亡くなるのではなく、栄養不良により免疫低下が起こり、感染症などで亡くなるからです」

 患者の栄養管理研究で知られる藤田保健衛生大学病院・外科・緩和医療学講座の東口髙志教授も近著「『がん』では死なない『がん患者』」(光文社新書)の中でがん患者のうち、がんが直接原因で亡くなる人は20%弱で、80%は栄養不良による感染症などで亡くなることを明らかにしている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭