【うつ病】抜け出す努力をしてください。数年かかります

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 東京・板橋区内に住む越川正則さん(仮名、62歳=人材派遣会社顧問)は、10余年前、当時付き合っていた彼女の強い勧めもあり、東京・御茶ノ水にある「東京医科歯科大学付属病院」で診察を受けた。

「診察を受けた時期はもう無気力状態で、病院にJRで行ったか、地下鉄だったかも覚えていません。診察を受けた窓口も精神科か心身医療科だったかも忘れました」

 診察で、血液、尿、心電図、レントゲンなどの検査を丸一日かけて受けた後、問診を受けた。

 担当医は、各種診察のデータを見ながら「体に病的な問題は見当たりません」と言いつつ、そのまま1時間近い問診が始まった。

「眠れないですか」「自分の人生がつまらなく感じますか」「性格は明るいほうですか、暗いほうですか」「体がだるく、疲れませんか」「食欲はありますか」「もう死んでもいいかと思ったことはありますか」

 こうした質問が20問ほど続き、越川さんはすべてに「はい」と答えた。

「越川さんは立派な『うつ病』にかかっています」

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