著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

12年間で24%も アメリカで認知症がなぜ減ったのか

公開日: 更新日:

 アメリカも日本と同様に高齢化が進み、高血圧糖尿病と同じく認知症も増加すると予測されていました。ところが最近、「JAMA」(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)に発表された全米2万人以上を対象にした調査結果で、65歳以上の高齢者が認知症を発症する確率は、2000年の11.6%から、12年には8.8%に。数にして24%も減少していることがわかりました。

 また、認知症と診断される年齢の平均は80.7歳から82.4歳に上がっていることもわかりました。医療関係者はこの動きを歓迎しながらも、その理由がわからず首をひねっています。

 というのも、認知症のリスクとなる糖尿病や心臓疾患、肥満の率は下がっていないからです。糖尿病は90年代以降激増し、昨年ようやく減少に転じたばかり。直接の因果関係はなさそうです。

 やはり、リスクファクターとなる高血圧や高コレステロールが、薬によって効果的に抑えられるようになったことが要因になっている可能性もあるといいます。

 もうひとつ注目されるデータは、調査を行った12年間に、高齢者の「教育を受けた年数」が1年増えたことです。教育を長く受けた人の脳の方が認知症に強くなるのか。教育を受けたおかげでより知識が増えて健康な生活を送れるようになったのか。または教育を長く受けられる=生活が豊かであることから、より健康になったのか。どれも、あくまでも仮説です。

 減少の理由がはっきりしない限り、このまま発症率が減り続けると予測するのは早いと指摘する医療関係者もいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ