周囲驚かす性格の豹変には病気が潜んでいるかもしれない
意外だが、肝硬変によって肝臓の解毒能力が低下した結果、脳に毒素が回ってイライラ感が募り、怒りっぽくなることもあるという。
日本脳炎やインフルエンザ脳症は、ウイルスや細菌が脳に広がることで、人にとっぴな行動を取らせることがわかっている。犬・猫好きな人はトキソプラズマ原虫による感染症にも注意が必要だ。
「この寄生生物が妊婦に入り込むと、胎児の神経系や目に影響を与えて流産したり、出産できても子供の脳や目に障害が起きる可能性があることが知られています。感染すると用心深さが失われるなど、人格や気分を変える可能性があるという説もあります」
実際、科学雑誌「ディスカバー」のサイエンスライターが書いた「心を操る寄生生物」(インターシフト)によると、チェコのカレル大学の進化生物学者、ヤロスラフ・フレグル氏らは「トキソプラズマ原虫の感染が交通事故、統合失調症などの精神疾患、自殺までをも増やしている可能性がある」と主張している。
■性欲が高まる場合も……
また、同書では、性感染症を引き起こす病原体が性欲あるいは性的魅力を後押ししている可能性や、インフルエンザウイルスが人を社交的にする可能性についても紹介している。