高数値はLDLか中性脂肪か 「脂質異常症」治療の違いを知る
「検査では空腹時の数値を調べますが、空腹時は低めなのに、食後に異常に高くなる人もいます」
つまり、中性脂肪は食事内容や検査タイミングなどの条件で変動する。
「専門家は、中性脂肪とHDLコレステロールの両方を見ます。中性脂肪が高いとHDLコレステロールが低くなり、中性脂肪が下がるとHDLコレステロールが高くなりやすい」
中性脂肪が下がっていても、HDLコレステロールが前回と比べて上昇していなければ、中性脂肪の低下は一時的なもの。食生活改善や運動を継続できず、中性脂肪のコントロールが難しい人は、フィブラートという薬を使うことになる。
「スタチンとフィブラートの併用は、横紋筋融解症のリスクをより高めるといわれています。LDLコレステロール、中性脂肪両方が高い人は、スタチンを優先して使い、食生活改善と運動で中性脂肪を下げてもらうようにします。ただ、うまくいかなければ、2つの薬を使います」
医師の管理のもとに薬を投与し、副作用の気配が見られたらすぐに対処する。薬を飲まないリスク(心筋梗塞、脳梗塞)より、飲むリスクの方が小さい。
なお女性は、閉経以降はLDLコレステロールも中性脂肪も上昇しやすい。
閉経前に測定したきり、という人は改めて検査を受けるべきだ。