若くしてコレステロールが高ければ「家族性」を疑う
5年ぶりに改訂された動脈硬化性疾患予防のガイドラインで、「冠動脈疾患二次予防」の目標値が従来より低く設定されている。専門家に話を聞いた。
冠動脈疾患とは、心臓を取り囲む血管(冠動脈)の動脈硬化が原因で発症する狭心症や心筋梗塞などだ。
冠動脈疾患を一度発症すれば、LDLコレステロールをはじめとする再発予防(二次予防)のための目標値はより厳しくなる。ちなみにLDLコレステロールはいわゆる「悪玉コレステロール」で、動脈硬化の進行と密接な関係にある。
これまでは100(㎎/デシリットル)未満が目標値だった。それが今回から「70未満」が加わった。対象は、「家族性高コレステロール血症」「急性冠症候群(不安定狭心症など)」「末梢動脈疾患や慢性腎臓病、メタボ、喫煙、主要危険因子の重複などを合併する糖尿病」。
注目すべきは、家族性高コレステロール血症だ。
「専門医を除けば、家族性高コレステロール血症の診察がまだ十分ではない。見落とされている患者は多いでしょう」