日本人の成人の半分が該当 血圧「130」は高めなのか?
糖尿病、肥満度と同様に国民健康・栄養調査の血圧のデータを見てみましょう。2016年のデータで上の血圧の平均は、20歳以上の男性で134.3㎜Hg、女性で127.3㎜Hgです。血圧の分布は左右対称に分布しますから、130㎜Hg未満の人とそれ以上の人がおおよそ半分ずつという状況です。
テレビコマーシャルで「血圧130以上は血圧高めです」なんてやっていますから、日本人の20歳以上で、半分の人が血圧高めということになります。平均値が高めなんて、なんだか変だと感じるかもしれません。「血糖値が平均値の人は血糖高めです」とか、「BMIが平均値の人は肥満です」みたいなことになっているわけです。どういうことでしょうか。
これまでの上の血圧の基準は140㎜Hg以上というのが一般的なものでしたが、2017年に米国高血圧合同委員会が正常な上の血圧を130㎜Hg未満に引き下げたということもあり、あながちデタラメな主張ではありません。
事実、血圧100の人に比べれば130の人の脳卒中や心筋梗塞のリスクは高く、効果が明確で、安全、安価な治療があれば、130以上の人が高血圧患者として降圧薬を飲むというのも、それほど間違った話ではありません。しかし、110の人に比べれば120の人も脳卒中などのリスクは高く、なぜ120でなく、130が境目として採用されたのでしょうか。次回からはこの問題について取り上げていきたいと思います。