著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

犬を飼っているとストレスが癒やされて心臓病リスクが減る

公開日: 更新日:

 犬を飼っている人は心臓疾患にかかるリスクが減る――。海外にはこんな調査の報告があります。スウェーデンの研究チームが340万人を対象に12年間にわたって医療記録を分析したところ、一人暮らしで犬を飼っている人は、飼っていない人に比べて心血管疾患で死亡するリスクが36%低く、家族と同居している人でも15%低かったそうです。

 犬を飼うことがどうして心臓病を減少させるのかについてははっきりしていませんが、論文の著者は「犬の散歩などで飼い主が体を動かす機会が増えたり、犬との触れ合いが孤独感やストレスを癒やし、健康にいい影響を与えている可能性がある」としています。

 実際、ストレス解消=リラックスすることは、心臓を守るうえで非常に大切です。ストレスを受けると交感神経が優位になり、神経伝達物質のアドレナリンが大量に分泌されます。アドレナリンは心拍数を増加させて血流を増やす効果と、血管を収縮させる効果で極端に血圧を上昇させます。その結果、心臓の負担が増えてしまうのです。

 また、ストレスを受けて副腎皮質ホルモンが多くつくられることでコレステロールの血中濃度が高まり、血糖値も上昇して動脈硬化による病気が起こりやすくなります。ストレスは、高血圧、高コレステロール、高血糖という心臓疾患の代表的なリスク因子を揃える原因になるということです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い