高血圧編<1>135/85前後は「生活改善を頑張りましょう」

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 つまり、「高値」血圧では、合併症があるケースを除いて、降圧薬を使わずに減塩や運動などの生活改善で正常域を目指すのです。そう、医師はそんな患者さんに「様子を見ましょう」と言います。その心は――。

「まずは薬を飲まず、塩分や脂っこい食事を控えたり、よく歩いたりして生活改善に気をつけて、血圧は朝食前の家庭血圧でフォローしましょう」

 そんな意味です。それで患者さんの血圧が安定していれば、次の診察も「また次も様子を見ましょう」となります。

 患者さんは毎回毎回、「様子を見ましょう」と言われると、「しっかり診てもらえているのかな?」と不安になるかもしれませんが、安定した数値に伴う「様子を見ましょう」が続くことは問題ないのです。

 なんでこんなまどろっこしい基準改定が行われたかというと、75歳未満の人が目指すべき降圧目標も設定されました。それが、130/80未満です。脳卒中心筋梗塞などの予防が目的で、高値高血圧はそこに近いのがミソ。重大病の予防をより強く意識付けたいことが見て取れますから、「様子を見ましょう」を続けることが、高血圧治療では一番なのです。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

【連載】医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

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