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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん<2>放射線治療 寿命延ばす効果は期待できそうもない

公開日: 更新日:

 術後照射は手術後6~8週間までに開始することが望ましいとされています。照射によって再発率は低下しますが、「生存率の改善はもたらさない」とも書かれています。

 大腸がんの手術では、注意していても切断面からがん細胞が腹腔内に散らばってしまうことがあります。あるいは周辺のリンパ節に、目に見えない転移があることもあります。そのため、手術中に放射線を当てることがあります。それが術中照射です。ただ効果のほどは、治療ガイドラインには書かれていません。

 つまりいずれの照射も、寿命を延ばすほどの効果は期待できそうもないということでしょう。また一度、放射線を当てると、周辺臓器がダメージを受けるため、「適応の原則は骨盤内に放射線治療歴がないこと」と明記されています。以前に子宮、卵巣、腎臓、膀胱などで放射線を受けたことがある人は治療対象から外れますし、そうでなくても大腸がんの放射線治療は、生涯一度きりというわけです。

 とはいえ、放射線単独の治療は少なく「化学療法との同時併用が標準的」とも記されています。

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