胃がん<6>「根治を目指さない」化学療法4つの特徴
2015年からは、新たにオキサリプラチン(点滴)が胃がんの「術後化学療法」に使えるようになりました。またS―1とオキサリプラチン、オキサリプラチンとカペシタビン(錠剤)の併用など既存の抗がん剤の組み合わせで、もっと再発予防効果が出ないか臨床試験が行われています。
ただし、どの薬もそれなりに強い副作用があります。
しかも治療は半年から1年間も続きます。そのため副作用を抑えて治療を継続させるための「支持療法」が重視されるようになり、年々改善されてきています。
しかし、それでも再発することがあります。またステージⅣと診断された患者は、最初から手術の対象になりません。それらをまとめて「切除不能進行・再発胃がん」と呼びますが、その場合は根治を目指さない(延命とQOLの維持を目的とした)化学療法が始まります。
「術後化学療法」との大きな違いは4点あります。
1つは治療の期限が決まっていないこと。原則として薬の効果がなくなるまで、あるいは副作用に耐えられなくなるまで治療が続くわけです。