不潔な入れ歯で発症リスク6割増 肺炎をこじらせる生活習慣
東北大の研究は、要介護認定を受けていない全国39市町の約7万1000人が対象。比較的元気な高齢者をターゲットにしているように、肺炎で亡くなるのは97%が65歳以上だ。そんな高齢者の不幸を防ぐには、入れ歯の手入れのほかにも、欠かせないことがある。どんなことか。加藤氏に聞いた。
「糖尿病やがんなどは免疫力を下げて、肺炎を起こすウイルスや細菌が感染しやすくなります。持病がある人は治療をきちんと受けて、免疫力を下げないようにすることです」
■食事はゆっくりと少しずつ
「国民健康・栄養調査」(2016年)によると、糖尿病が疑われる人のうち、男女とも2割ほどは治療を受けていない。いろいろな事情があるにせよ、当たり前のことができていないのだ。
それで肺炎を発症すると、40度近い高熱や咳、胸の痛みなどに苦しめられるが、免疫が低下していると、そんな肺炎のイメージが覆される。
「高齢者の肺炎の初期はそれほど熱が上がらず、“風邪かな”と軽く考えて、様子を見ているうちに手遅れになることが少なくありません。高齢者が何かに感染し、咳や熱が出て呼吸器感染症が疑われるときは必ず受診するのが無難です」