著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖コントロールは冬に悪くなる 春はリカバリーに注力を

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 次に、クリスマス、忘年会、正月、新年会など暴飲暴食に陥りがちな行事が続くことも大きい。食べる量が増える上に、宴会料理は塩分、糖分、脂肪分も過剰になりがち。

 おせち料理も、保存を良くするため、料理をしない人ならびっくりするくらいの砂糖が使われています。

 好きなだけ食べて飲んで寝正月……となれば、血糖値が上がって当然です。もちろん、血圧脂質も上がります。

 さらに、甘い果物も問題です。最近のミカンやリンゴなどの果物は、品質改良で非常に糖度が高い。インターネットで産地から簡単に、比較的安価で取り寄せることもできるようになった。

 患者さんの中には「ケーキやお菓子と違って、果物はビタミンが取れるから」と、“体にいいもの”と思って1日に2個も3個も食べている人もいましたが、それは明らかに食べ過ぎで、血糖値を上昇させます。

 冬に高くなった血糖値に何ら対策を講じないでいれば、次の冬にもまた血糖値が高くなります。「負の遺産」が増えていくわけです。だから、春に「リカバリーしましょう」と患者さんにお話しするのです。なお、血糖値だけに言及していますが、冬に高くなるのは血圧、脂質も同様です。したがって、血圧、脂質も、春のリカバリーが必要です。

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