ガイドラインにも記載 「血液浄化療法」は効果があるのか?
実際、中国の国家衛生健康委員会弁公庁などが先月3日に公開した「新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン」(試行第7版)で紹介されている。「炎症因子を除去し、『サイトカインストーム』をブロックすることにより、炎症反応による全身の損傷の軽減をはかる。重症、重篤患者のサイトカインストーム早期―中期の治療に適用できる」としている。
日本では多臓器不全障害が起きる前段階で、血液浄化法による新型コロナウイルス感染症への治療例が報告されている。
神奈川県内の病院では中等症と重症の3人の新型コロナ感染症の患者に対して行われ、2人の患者の救命に成功したという。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船して新型コロナウイルス感染症を発症した69歳の男性は、入院後に抗HIV薬のカレトラ、インフルエンザ治療薬のタミフルを投与。しかし、病状は安定せず肺機能の低下から酸素吸入へ。さらに急性腎不全を併発したため、血液ろ過透析とウイルス感染に伴うサイトカインストームに対して血液吸着療法を開始。その2日後には血圧、酸素状態、炎症反応も改善し、その10日後には退院したという。