著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

原因不明の体調不良やだるさが続いたら…「副腎不全」に注意

公開日: 更新日:

 原因不明の体調不良や体のだるさに悩んでいませんか? それはひょっとすると、副腎のホルモンの低下に原因があるかも知れません。

 副腎というのは腎臓の上にある小さな臓器で、その働きはホルモンをつくり、分泌することです。副腎が分泌するホルモンの代表が、糖質コルチコイドのコルチゾールです。このコルチゾールはステロイドホルモンの一種です。ステロイドというと、湿疹の塗り薬や膠原病などの飲み薬をイメージする方が多いかも知れませんが、それは合成されたステロイドで、コルチゾールは人間の体が自分でつくっているステロイドなのです。ステロイドはストレスと戦うホルモンです。体に病気や過労などのストレスがかかると、それに耐えるためにステロイドホルモンが分泌されます。

 ところが、副腎の働きが悪かったり、副腎のホルモンを刺激する下垂体という脳の下の部分に異常があると、副腎機能低下症という状態になって、ストレスにさらされても十分な量のステロイドホルモンが出なくなるのです。副腎不全になると、体はだるく重く感じ、進行すると血圧が低下して、低血糖になり、血液のナトリウムも低下します。そうした検査値や症状からこの病気を疑って、ステロイドの補充を行うと、症状は速やかに改善しますが、放置すると命に関わるような事態にもなりかねないのです。

 原因不明のだるさが続く時は、ホルモンの異常を疑う必要があるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差