慢性疾患の薬が原因で「こむら返り」が起こるケースがある
夜などに急に足の筋肉が硬直して痛む、「こむら返り」に悩まれている方が多いと思います。「足がつる」という言い方の方が一般的かもしれません。クリニックの外来でも毎日1回はその悩みを聞いています。
この現象は足の筋肉の一時的なけいれんですが、その原因は必ずしも明らかにはなっていないようですが、足の筋肉に疲労がたまったり、足が冷えたりすると起こりやすいのは間違いありません。夏に夜、冷房をつけていると、足の冷えから起こることもあるようです。病気としては糖尿病や肝臓病などで、起こりやすいということも分かっています。そして、それ以外に、こむら返りの原因として無視できないのが薬の影響です。
コレステロールを下げるスタチンという薬で、こむら返りが起こることがあります。
また、利尿剤といって、高血圧や心臓病に使用する、尿の量を増やす薬も、血液のカリウムという電解質のバランスを崩して、こむら返りの原因になると報告されています。それ以外に気管支を拡張させる喘息の吸入薬も、こむら返りの原因になります。これは喘息の薬が交感神経を緊張させる性質があり、それが筋肉の運動神経の刺激につながっているらしい、と想定されています。
このように多くの慢性病の薬がこむら返りの原因になります。お医者さんに通っていて、こむら返りのある人は、主治医の先生に一度相談してみるのがいいと思います。