長寿の秘訣は動物性でなく植物性のタンパク質摂取にあり
「糖質」「脂質」「タンパク質」は、生命維持に必須の栄養素であり、3大栄養素と呼ばれます。しかし、糖質や脂質の過剰摂取は、生活習慣病など健康に悪影響をもたらすことが知られています。他方で、タンパク質の積極的な摂取が健康状態にどのような影響を及ぼすのかについては、詳しく分かっていませんでした。そんな中、タンパク質の摂取状況と死亡リスクを検討した研究論文が英国医師会誌の電子版に2020年7月22日付で掲載されました。
この研究は2019年12月31日までに報告された32件の研究データを統合解析したものです。18歳以上の71万5128人が解析の対象となり、タンパク質の摂取量と、全死亡リスク、心臓病やがんによる死亡リスクが検討されました。
その結果、タンパク質の摂取量が最も多い集団は、最も少ない集団と比べて、全死亡リスクが6%、統計的にも有意に低下しました。他方で、心臓病やがんによる死亡リスクの低下とは関連していませんでした。
タンパク質を種類別に解析したところ、動物性タンパク質では全死亡リスク、心臓病やがんによる死亡リスク、いずれも摂取量との関連が認められなかった一方で、植物性タンパク質の摂取が最も多い人では、最も少ない人に比べて、全死亡リスクが8%、心臓病による死亡リスクが12%、統計的にも有意に低下しました。