気道<下>睡眠時無呼吸症候群を和らげる「シムスの体位」
あおむけになることを防ぐために、背中側にストレッチポールを置いたり、ストッキングに入れたテニスボールをウエストの後ろに巻いたり、タオルを詰め込んだリュックを背負って寝たりすることも有効だ。
■睡眠の質を上げればいびきも解消する
呼吸をスムーズにしていびきを減らす睡眠を取ることは、実はいびきの原因となる肥満の防止と密接な関係がある。それは睡眠の質が低下すると太りやすい体質になるからだ。
睡眠には大きく分けて「レム睡眠(浅い睡眠)」と「ノンレム睡眠(深い睡眠)」がある。
眠りに就くとまずノンレム睡眠が訪れ、続いてレム睡眠が訪れるという繰り返しが約90~120分間隔で起こる。しかし、いびきや無呼吸があると眠りが浅くなってノンレム睡眠を妨げるのだ。
「ノンレム睡眠が減ると基礎代謝量が落ち、食欲を抑制するホルモンのレプチンの分泌が低下し、食欲を増進させるホルモンのグレリンの分泌が増加します。すると満腹中枢に誤作動が起き、満腹なのに食欲が湧いてしまうのです。結果、太りやすい体質になり、いびきやSASの原因を増長させてしまうのです」