気道<下>睡眠時無呼吸症候群を和らげる「シムスの体位」
加えて試してもらいたいのが「就寝時のシムスの体位」と「起床後の1杯の味噌汁」の習慣だ。
この3つの「いびき解消メソッド」を考案した日本睡眠学会専門医で「RESM新横浜/睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」(横浜市)の白濱龍太郎院長が言う。
「『シムスの体位』とは、妊娠中期以降のお腹の大きくなった妊婦にとって寝やすい睡眠時の体位で、体を横向きにして寝て、上側に来る脚の膝を曲げて前に出し、下側にくる脚を真っすぐ伸ばします。心不全など心臓の持病がある方は、横向きでの睡眠が負担になることもあるので注意が必要です。もともとは直腸検査をするときや昏睡状態の人の気道を確保するときに用いられる姿勢で、体の緊張がほぐれ、リラックスした状態で眠ることができるのです。これもいびきの悩みを持つ人にとって有効で、舌根沈下を防ぎ、スムーズな呼吸を促します」
このシムスの体位を睡眠時にクセにすることがいびき対策になるのだが、睡眠中にその姿勢を意識的に維持するのはなかなか難しい。それをサポートしてくれるのが「抱き枕」の利用だ。抱き枕がない場合は、夏用の布団を丸めてバスタオルでくるみ、両側をヒモで結んで代用品を自作するのでもいい。また、クッションを膝の下に置いたり、脚の間に挟んでも姿勢がキープしやすい。