性感染症編(11)サル痘の国内患者数は3人 怖がり過ぎる必要はないが…
「今回は西アフリカ型の流行であり、男性間の性交渉を行う者が多いとされています。しかし、女性の患者もいます。初期のエイズがそうであったように男女間での性的接触での感染もあり、サル痘を特別視するのは間違いだと思います」
潜伏期は通常6~13日(最大5~21日)で、今回の流行に基づく推計では、中央値は8.5日と報告されている。
発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの前駆症状が0~5日程度持続。発熱の1~3日後に皮疹が出現。顎下、頚部、鼠径部にリンパ節腫脹が見られる。
「ただし、今回は前駆症状が必ずしも認められない事例が報告されています。また皮疹は顔面から始まり体幹部へと拡大。各皮疹は、原則として紅斑↓丘疹↓水疱↓膿疱↓結痂↓落屑と段階が移行すると報告されています。しかし、これも病変が会陰部・肛門周囲や口腔などの局所に集中しており、全身性の発疹が見られない場合や口腔内や陰部の粘膜疹が先行することもあります」
気分障害の発症も報告されている。
「隔離の影響かもしれませんが、ナイジェリアの報告では2018年に入院した患者のうち4分の1に不安やうつなどでカウンセリングが必要になったと報告されています」