いまこそマスクの効果を検証し必要な人と場面を示すべき
岩室医師が考えるマスクが必要な人とは、感染リスクが高く、重篤化しやすい、基礎疾患を持っている60歳以上の人と直接接する病院職員や介護職員、同居している家人など。必要ないのは子供たちや若く元気な人、周囲の人と接しない寝たきりの高齢者など。
■半減した国内出荷量が物語るもの
「現在、新型コロナで亡くなる人の95%以上は60歳以上の高齢者です。この人たちに直接接する人は本人に自覚がなくても感染している可能性があると考える必要があります。そのため高齢者と面と向かって飛沫のやりとりをする可能性がある場面になった時、不織布マスクが不可欠です。逆に高齢者が周囲の人にうつす可能性については、高齢者の行動をチェックし、直接ウイルスを含んだ飛沫や唾液を浴びるなどの状況ではない限り、マスクは不要だと考えます。とくに寝たきりの高齢者が吐き出す飛沫が周囲の人の顔に飛んでくる可能性が少ないため、寝たきりの人がマスクをする必要はないのではないでしょうか? 子供たちは身長が低いため、立っている大人の顔に飛沫をかけることはあまり考えられません。子供はマスクを正確に長時間着用できませんし、寝たきりの高齢者にとってはかえって危険です。むしろ、表面を触ったりといった不適切な扱いによりマスクが感染源になりかねない。飛沫感染対策のためのマスクとは異なり、エアロゾル感染対策は、空気の流れをつくってエアロゾルを拡散、排気する。マスクより空気の入れ替えをしっかりすることが大切ではないでしょうか」