いまこそマスクの効果を検証し必要な人と場面を示すべき

公開日: 更新日:

 感染症法の2類相当扱いの新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げるという。それに伴い、現在「屋外は原則着用不要、屋内は一部を除いて着用推奨」のマスクは、「今後は個人の判断に任せる方向で、緩和時期を調整する」という。しかし、これはおかしいのではないか。マスクは誰に、どの場面で必要で、どう使うべきか、との検証と判断は政府がやるべき仕事ではないか。それをスルーすることはマスク着用の科学的根拠はなかった、との誤ったメッセージを発することにならないのか? 公衆衛生に詳しい岩室紳也医師が言う。

「私は新型コロナ予防にマスクがまったく役立たないとは思いません。一般的に若くて健康な人は感染していれば無症状でもウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)やエアロゾルを排出していることを認識すべきだと思います。高齢者の重症化率や致死率が季節性インフルエンザと変わらなくなったいまこそ、その認識のもとマスクの意味を再検証すべきです。それも完璧なマスク装着法の周知徹底は無理だという視点で。マスクは感染している人から飛び出す飛沫を防ぐ効果はありますが、エアロゾルの排出や吸入を阻止できません。だからこそマスクが必要な人や場面、使い方も変わるべきだと思います。それを示さずに、一律に『マスク着用は個人の判断』というのは乱暴で、無責任ではないでしょうか」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…