重症化しづらい若者の感染が集団免疫をつくる インフルエンザに学ぶ
政府は4月にも新型コロナウイルスの感染症法上の分類を現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行する考えだという。屋内でのマスク着用も発熱などの症状がある人を除き、原則不要になる。
むろん、こうした措置はいきなりではなく、段階を踏んで実施されることになる。ところが、こうした「新型コロナ終結に向けたシナリオ」に待ったをかける人も少なくない。いわく「感染対策の緩みから感染が増えたらどうする」というのである。公衆衛生に詳しい岩室紳也医師は、「一律に感染対策を緩めるのではなく、感染対策を緩和する人たちと今以上にケアすべき対象を見極め、有効かつ具体的な感染予防措置を取ることが大切」と言う。
「自分の意思で症状を伝えられない乳幼児は症状があれば必ず受診でき、容体が急変したらすぐに対応できる体制づくりが大切です。乳幼児は新型コロナウイルスのレセプターが少ないので感染しづらい。とはいえ、感染すると急変する場合があります。60歳以上の高齢者本人や周囲にいて面倒をみたり接触する人はマスク着用による飛沫感染予防、空気の流れをつくってエアロゾル感染予防などを徹底する必要があります」