9人に1人が乳がんを罹患 10年生存率をほぼ100%を可能にするポイント
マンモだけが住民検診となっている理由は、マンモだけが乳がん死亡率を下げるというエビデンスがあるからだ。ただし、このエビデンスは海外のデータになる。
マンモは乳がんの初期症状である微細石灰化の発見については強いが、しこりには弱い。乳房の中には乳腺という組織があり、乳腺の濃度は人によって異なるのだが、日本人、特に若い人はデンスブレスト(高濃度乳房)という乳腺濃度が濃いタイプが多く、マンモでは乳房全体が白く映ってしまうからだ。
乳がんの可能性を示すしこりも白く映るため、雪山で白うさぎを探すかのようになり、しこりを見つけづらい。その点、超音波はしこりが黒く映るので、デンスブレストでもしこりと乳腺の区別がつきやすい。
「当院では超音波をメインにし、そこにマンモを組み合わせています。マンモ併用の頻度としては、30代前半で1回、後半で1回、乳がんが急増する40歳以上は毎年。マンモが痛くてつらい人も、2年に1回はマンモを組み合わせることをお勧めしています」
近年、注目を集めているのが、乳がん発症ハイリスク女性に対するMRI検査だ。日本の乳がん診療では、乳がんの診断後に使われることがほとんどだが、診断前のスクリーニングの段階でMRIを用いる動きが出てきている。