声の変化に注意を!「嚥下障害」「嚥下性肺炎」リスク増の前段階
見た目の若さにこだわる人も、「声」には無頓着なのでは? 声も、体の他のパーツと同様に、老化する。京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科の平野滋教授に話を聞いた。
◇ ◇ ◇
「声帯は、楽器としての粘膜の弦のようなもの。声帯粘膜には土台となる声帯筋があり、その上に声帯靱帯、さらにその上に軟らかい薄い粘膜(粘膜固有層浅層=SLP)があります」(平野教授=以下同)
SLPにはヒアルロン酸が広く分布しており、これが声帯の高速振動に不可欠となっている。しかしSLPのヒアルロン酸は、年を取るにつれて減少。代わりに声帯粘膜内にコラーゲン線維が蓄積されていく。
「それによって声帯粘膜組織が硬くなり、萎縮。声帯振動が減弱し、発声時に閉じる声門が十分に閉まらなくなります。声帯筋も萎縮する。これらが50歳以降から顕著になり、加齢に伴う音声障害、いわば第二の声変わりを迎えるのです」
男性では高いハスキーボイスになる。女性では声帯粘膜と声帯筋の萎縮に加え、閉経後に粘膜がむくみ、低いガラガラ声になる。