声の変化に注意を!「嚥下障害」「嚥下性肺炎」リスク増の前段階
「たかが声、ではありません。音声障害は声帯の老化を示し、やがて嚥下筋の筋力低下、嚥下力の低下、咽喉頭の知覚低下が生じてくる。つまり、嚥下障害や嚥下性肺炎のリスクが高くなるのです。声の老化を抑制することは嚥下障害や嚥下性肺炎の予防につながる可能性が高いのです」
対策として、次の方法が有効だ。
■胃酸逆流の予防・治療
逆流性食道炎は胃酸が食道まで逆流して起こる病気だが、胃酸の逆流がのどまで及んだ状態を逆流性咽頭炎という。
「逆流性咽頭炎が声帯に与えるダメージは深刻で、声帯の腫れ、むくみを引き起こします」
のどの方が食道より胃酸の影響を受けやすい。そのため逆流性食道炎の症状、すなわち胸焼け、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちの辺りが痛む、といった症状はなくても、逆流性咽頭炎が起こっているケースがある。
症状としてかすれ声が7割、咳や痰が5割との報告もあるので、それらの症状がある場合、耳鼻咽喉科で検査を受ける。治療は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与となる。