はやりの「16時間断食」は心臓にとってマイナスなのか
たしかに、16時間断食を積極的に行っていた人は、もともとBMI(体格指数)が高い肥満気味の人が多かった可能性があります。肥満は心血管疾患の代表的なリスク因子なので、死亡リスクがアップするのは当然といえます。
■肥満の解消はプラスになるが…
とはいえ、断食を含むダイエットはトータル的に見れば心臓にとってマイナスになりうると、個人的には考えています。もちろん、肥満は高コレステロール、高血糖、高血圧のリスクを高め、動脈硬化を促進して心血管疾患を発症しやすくするのは間違いありません。ですから、肥満を解消するためのダイエットは心臓にとってはプラスといえます。しかし、そのために食べない=断食や極端な食事制限を行うことは、心臓にとっては逆効果になってしまう危険があるのです。
一般的に「食欲」「性欲」「睡眠欲」が人間の3大欲求といわれています。そのうち、性欲と睡眠は加齢によって欲する度合いが変化して、減少していくといえるでしょう。年をとると、疲れていたりお酒を飲んで酔ったりすると、性欲が減退するケースが増えてきます。また、高齢になるとやたらと朝早く目覚めたり、若い頃のように長時間の睡眠がとれなくなったりします。