はやりの「16時間断食」は心臓にとってマイナスなのか
研究は03~18年に米国の「全国健康・栄養調査(NHANES)」に参加していた2万人以上の成人を対象に行われ、1日の16時間を断食して残り8時間で食事を取る人は、1日の12時間から16時間の中で食事を分けながら取る人に比べ、心血管疾患の死亡リスクが91%高くなっていたといいます。また、心血管疾患の診断を受けている人が食事をしてよい時間を8時間以上10時間未満に制限していた場合、心血管疾患または脳卒中の死亡リスクが66%上昇していたこともわかりました。
これまで、ダイエットや健康維持に効果があるとされていた食事法だっただけに、この研究を主導した上海交通大学医学院のビクター・ウェンズ・ゾン氏は、「時間を制限しながら食事をする人々が心臓疾患で死亡しやすいことがわかって驚いている」とコメントしています。
ただ、この研究は「2日間の食事データ」を調査したもので、それ以外の期間に対象者がどんなものをどのように食べていたかがわかりません。また、心血管疾患リスクに影響を及ぼす要因である年齢、社会・経済的地位、生活習慣なども明確にされていないことから、不十分だという意見が寄せられています。