お酒が糖尿病に与える影響 摂取量に関係なく有害との見解もあるが…
むろん、この論文は注目すべきものであるが、「科学的事実」とは同じ手法、同じ環境で繰り返し実験し、同じ結果が得られることで形成される。「お酒が有害である」と結論付けるにはまだ早いのではないか。
「私はむしろ、ビールを適度に飲んでいると心臓病リスクが低下し、腸内細菌が多様化するとの研究報告に関心があります。ビールは麦芽を発酵させて造るため、ホップ、抗酸化作用のあるポリフェノールなどの成分や発酵による微生物が含まれていて、腸内環境には良いとされています(ノンアルコールビールでも同様の効果があるとの報告も)。また、ビールを飲むことで、血液中の悪玉コレステロールが減り、抗酸化物質が増え、血液を固めて血栓をつくる原因となるフィブリノーゲンが減ることが報告されています」
なお、日本人を対象とした研究で、お酒に強い遺伝子型を持つ人は、お酒をたくさん飲むことにより肝臓でのインスリン感受性が低下することで糖尿病になりやすいことが明らかになっている。注意したい。