肥満の人がウオーキングをする際に気を付けるポイントは?
病気の発症を予防して、健康寿命を延ばすには「1日8000歩」歩く必要があるといわれています。ただ、肥満の人が無理に歩こうとすると体重が足にのしかかり、足の痛みにつながりやすい。
ある60代後半の男性は、メタボ体形に加えて健診で肝臓の数値が悪いと指摘され、受診した近所の内科で運動習慣を身に付けるよう勧められたといいます。そこで毎日欠かさず1時間のウオーキングを続けるうちに、足が痛くて歩きづらいと当院を受診されました。
足裏にはアーチと呼ばれるクッションがあり、足が地面に接地し荷重が加わった際の衝撃吸収を担っています。
しかし、体重80キロの人が8000歩歩くとすると、左右それぞれの足に4000回、40キロの重さがのしかかります。体重が重いほど足にかかる負担が増えるので、無理に歩くとアーチが潰れて足は変形していきます。良かれと思って歩いていたのに、それがあだとなり足の健康を害してしまう恐れがあるのです。
足の形状を保つには、足を鍛える必要があります。骨の周囲には筋肉が付着していて、足の形は筋肉によって維持されています。背筋がないと背中が丸まってしまうのと同様に、足も筋力が衰えると骨格が崩れてしまう。